一体全体、僕にどうしろと?
彼女と蛍を見に行きましてね。
約束してたんですよ、蛍の季節には素敵な場所にお連れしますよって。
蛍ってロマンティックじゃないですか。
そう、ロマンティックなことを仕掛けて彼女に喜んでもらいたいんですよ、僕は。
…それがなんでこんな思いをしなくちゃならないんだ~(T_T)
19時ちょい前に落ち合った彼女は初っ端から不機嫌モード全開。
聞けば何でも今は「ネガティブ期」で、僕との関係がツラくて仕方ない。
なのに一緒に蛍を見てまた一つ思い出を重ねようとノンキに誘う僕に腹が立っているとのこと。
別に蛍なんて見たくない、雨でも降ってしまえばいい。
否定的な言葉を浴びせてくる彼女。
こんな態度を取られるのは初めてで、ちょっと、いやかなり面食らってしまう。
いやいやいやいや、今日蛍を見に行くって急に誘った訳じゃないじゃん?
4~5日前に決めて、君も夜に外出する口実を作ってたじゃん?しかも嬉しそうに。
僕の口からも攻撃的な言葉が出そうになり、急いで飲み込む。
40~50分のドライブ。
助手席の彼女は運転する僕の方を見もしない。
苦心して繰り出す話題もキャッチボールにならず、尻切れトンボ。
白けた空気のまま蛍の里に到着した。
車がバンバン通る片側2車線の国道を曲がってたったの1ブロック。
森と呼ぶにはコンパクト過ぎる。
林、と表すべき空間。
ただ思いがけないのはその暗さ。
周囲は住宅地だから街灯はあるのだけど、ここだけが唐突に暗い。
この暗い林の最深部に蛍のいる渓流があるのだ。
小路に覆い被さる木々が夜空の明るさを遮る。
ヒールを履いてる彼女の足元を心配して手を差し伸べる僕。
「いらない」
…善意も一言のもとに拒否ですか(T_T)。
めげずに視線で彼女の足元をフォローしつつ、3分も歩けば蛍の生息地だ。
暗闇の中をフワリフワリと飛ぶ光が7つ8つ。
「うわ~可愛い!」
ようやく彼女の声に柔らかさが戻って少しホッとする僕。
その後たっぷりと時間をかけて蛍を鑑賞しました。
帰り際、彼女がボソっと「連れて来てくれてありがと」と呟いたんで、単純に嬉しかった。喜んでくれたか、良かったってね。
蛍のおかげでいくらか彼女の機嫌は直ったけど、それでもそれ以上態度は軟化せず、食事中も会話は弾まず、結局キスはおろか手も握らず。
ここまでスキンシップがないデートは久しぶりだった(^^;)
いや良いんですよ、スキンシップが無いのはね。
元々そんな積りでもなかったしさ。
ただ彼女、僕と居ても楽しくなさそうだった。
僕も今回のような態度を取られると、気を使うし気が滅入るしで正直疲れる。
彼女の言う「ネガティブ期」を抜けるまで鷹揚に待つつもりではいるけど…、彼女はいったい僕にどうして欲しいのだろう?
僕の方は彼女の事が本当に大好きで、その気持ちをちゃんと伝えている、伝わっている、と思う。
彼女もさすがに関係を終わらせたいとまでは言ってなかったから、その点は心配してないけどね…。
この日以来、彼女に連絡を入れていない。
もちろん彼女からも連絡は無い。
もう3日になる。
いや普通は「まだ」3日、か(^^;)
いやいや、でもやっぱり「もう」3日だ(T_T)
…なんだか情けないよ、アワアワしちゃってる自分がさ。
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